近年、各業界のSDGs(持続可能な開発目標)への取り組みが大きく求められており、この流れから、建築業界については『木造建築』について大きな注目を集めております。
現在、木造建築でも在来工法の他に、2×4工法やSE構法といったコストダウンを図れて且つ大空間の設計も可能な、中・大規模木造建築が増加しており、新たな選択肢の一つとして上げられています。
今までは、中・大規模建築でいえば『鉄骨造』や『鉄筋コンクリート造』が当たり前で、一般住宅、小規模店舗・事務所などが木造というイメージが強かったと思います。
そのイメージ通り、現在、1~3階建ての低層住宅の木造化率は80%を超えているのに対して、非住宅建築についての木造率は10%にも満たない状況です。
しかし、現在、木促法の施工によって公共施設の木造化が活発になり、社会全体、脱炭素社会への取り組み推進から、民間企業も積極的に非住宅建物についての木造化が進められております。
木は再生可能な資源であり、その成長過程で二酸化炭素を吸収するため、温室効果ガスの削減、持続可能な社会の貢献に繋がります。
非住宅建物において木造建築にするメリットとしては大きく2点『早い』『安い』ということです。
木造は住宅用の規格製材を主に使用するため、コストを抑えられます。
木造の構造は比較的軽量である為、建物の重量が軽くなります。
建物の基礎や地盤に対する負荷が少なく、建物自体の軽量化にもなり、地盤改良のコストを下げるなどといったメリットがあります。
又、木材は加工が容易で、プレカット、2×4パネル作成などプリファブリケーション(部材の工場での事前製造)が可能でこの活用により、現場施工の工期短縮が図れます。
環境面はもちろん、その他メリットも考慮した上で、今後、介護福祉施設や事務所・店舗、倉庫・工場などの建築を考えている方は、木造建築を視野に入れて計画してみてはいかがでしょうか。