みなさんこんにちは。福岡県にある大規模木造建築専門店の匠の森です。
福岡で自社オフィスの新築を検討していると、「木造と鉄骨造では、どちらのほうが建築コストを抑えられるのか」「木造は減価償却の面でも有利なのか」といった疑問を持たれる経営者の方も多いのではないでしょうか。
以前は、ある程度の規模を持つ事務所や事業用建物といえば鉄骨造を前提に計画するケースが一般的でした。しかし現在は、設計方法や木造技術の選択肢が広がり、オフィスについても木造を比較対象に入れて計画できるケースが増えています。
ただし、「木造なら必ず安い」「木造なら鉄骨造より短期間で減価償却できる」と単純に考えるのは注意が必要です。建物の規模、必要な柱間隔、階数、防火上の条件、地盤、設備仕様などによっては、鉄骨造のほうが合理的な計画になることもあります。
また、減価償却についても、鉄骨造は骨格材の肉厚によって法定耐用年数が異なります。構造名称だけで判断するのではなく、税務上の区分まで確認することが大切です。
この記事では、福岡県で自社オフィスの建築を検討している法人・経営者の方向けに、木造オフィスと鉄骨造の違いを建築コスト・減価償却・工期・維持管理・事業計画という視点から整理します。
この記事で分かること
- 福岡で木造オフィスを検討するメリット
- 木造と鉄骨造で建築費に差が生まれる理由
- 木造オフィスと鉄骨造オフィスの法定耐用年数の違い
- 減価償却を経営判断に取り入れるときの注意点
- 木造で工期短縮につながるケースと、短縮できないケース
- 初期投資だけではなく維持管理まで含めた比較方法
- 木造と鉄骨造のどちらが自社に向いているか判断するポイント
目次
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1. 福岡で木造オフィスが選択肢になる理由
福岡でオフィスを建築するとき、最初から「事務所だから鉄骨造」と構造を決めてしまう必要はありません。
木造でも、事務室、会議室、応接室、休憩室、エントランスなどを備えた事業用オフィスを計画できます。匠の森でもオフィス・事務所・店舗を木造建築の対象としており、住宅だけではなく介護福祉施設や店舗など、非住宅分野の木造化に取り組んでいます。
1-1 構造は建物ではなく事業計画から考える
自社オフィスの場合、構造選びで重要なのは「木造か鉄骨造か」という比較から始めることではありません。
何人が働くのか、どのような部署構成なのか、来客は多いのか、将来増員するのか、いつまでに移転したいのか。こうした事業計画を先に整理することが大切です。
例えば、現在30人の会社が数年以内に50人へ増員する予定であれば、現在必要な席数だけで間取りを決めてしまうと、完成後すぐに手狭になる可能性があります。
一方で、必要以上に大きな建物をつくれば建築費だけでなく、空調費、照明費、清掃費、固定資産にかかる負担なども増えていきます。
まず事業に必要な床面積を決め、そのうえで木造と鉄骨造を比較する。この順番のほうが、実際のオフィス建築では判断しやすくなります。
1-2 木造と相性のよいオフィス計画
木造は、比較的整形な平面で、極端に大きな無柱空間を必要としないオフィスと特に相性があります。
執務スペース、会議室、社長室、応接室、休憩スペースなどをある程度区切って利用する一般的な事務所であれば、構造壁や柱を間取りの中へ自然に取り込みやすいためです。
また、木材を内装に見せることで、一般的な事務所とは違った雰囲気をつくりやすいことも特徴です。
自社オフィスは単に仕事をする場所ではありません。採用面接、取引先との打ち合わせ、社員の働きやすさなどを考えると、会社の考え方やブランドを伝える場所として建物を活用することもできます。
1-3 鉄骨造が適しているケースもある
一方、大きな会議ホールやショールームを併設し、柱のない大空間が必要になる場合や、荷重の大きな設備を設置する場合などは、鉄骨造が合理的になることがあります。
木造でも大空間をつくる技術はありますが、大断面集成材、特殊なトラス、専用金物などが必要になると、一般的な木造のコストメリットが小さくなる可能性があります。
2. 木造オフィスはなぜ建築コストを抑えやすいのか
木造オフィスを検討する企業にとって、最も気になるのが建築費ではないでしょうか。
一定の規模や条件であれば、木造は鉄骨造と比べて初期投資を抑えられる可能性があります。ただし、ここでも重要なのは構造材の価格だけを比較しないことです。
2-1 構造材だけでなく基礎まで含めて比較する
建物の構造が変わると、柱や梁だけではなく基礎にも影響します。
一般的に木造は鉄骨造などに比べて構造体が軽いため、建物から地盤へ伝わる荷重も小さくなりやすく、条件によっては基礎や地盤改良の負担を抑えられる可能性があります。匠の森でも、大規模木造の特徴として構造体の軽さによる基礎・地盤補強面のメリットを案内しています。
特に地盤改良が必要な土地では、この差が建築費へ影響することがあります。
ただし、同じ福岡県内でも敷地ごとに地盤条件は異なります。隣の土地で地盤改良が不要だったからといって、自社の土地でも不要とは限りません。
建築費を比較するときには、上部構造だけではなく、基礎・地盤改良・残土処分などを含めた状態で比較することが大切です。
2-2 木造でもコストが上がる条件がある
木造にすれば、どのようなオフィスでも安くなるわけではありません。
例えば、大きなスパンが必要な建物では、一般流通材では対応できず、大断面材や特殊な構造部材が必要になることがあります。また、建物の規模、階数、用途、建築地の防火上の条件によっては、耐火・防火に関する追加仕様が必要になる場合があります。
外観にも注意が必要です。
「木造だから木をたくさん見せたい」と考え、外部に木材を多用すると、初期工事だけでなく将来の塗装や交換まで考える必要があります。
もちろん、それ自体が悪いわけではありません。会社のイメージづくりに有効であれば十分価値があります。ただし、デザイン上の希望とコストメリットを分けて考えることが必要です。
2-3 坪単価より総事業費で比較する
福岡でオフィス建築を検討すると、「坪単価はいくらですか」という質問がよく出ます。
しかし、自社ビルの予算を決めるときに坪単価だけを見るのはおすすめできません。
オフィス建築には、本体工事以外にもさまざまな費用がかかります。
- 設計・確認申請などの費用
- 地盤改良工事
- 給排水・電気・空調設備
- インターネットや社内LANなどの通信設備
- 防犯・入退室管理設備
- 駐車場や舗装、植栽、フェンスなどの外構工事
- 看板・サイン工事
- デスクや什器
- 引っ越し費用
- 融資に伴う諸費用
特にオフィスでは、空調、照明、電源、通信設備などに一定の費用が必要です。
仮に構造部分でコストを抑えられても、内装や設備の仕様を上げれば総額は増えます。そのため見積もりでは、「木造本体の坪単価」ではなく「オフィスを実際に使い始めるまでに必要な総額」を確認することが重要です。
3. 木造と鉄骨造で異なる法定耐用年数と減価償却
自社オフィスを建てる企業にとって、建築費とあわせて確認しておきたいのが減価償却です。
建物に使った金額は、原則として取得した年度に全額を一度に費用として処理するのではなく、税務上定められた耐用年数などに応じて各年度へ配分していきます。
3-1 木造事務所の法定耐用年数は24年
国税庁が公表している主な減価償却資産の耐用年数表では、木造・合成樹脂造の「事務所用」の建物は法定耐用年数24年とされています。
一方、税務上の「金属造」の事務所は骨格材の肉厚によって異なり、4mmを超えるものは38年、3mmを超え4mm以下のものは30年、3mm以下のものは22年です。
事務所用建物の主な法定耐用年数
- 木造・合成樹脂造:24年
- 金属造・骨格材4mm超:38年
- 金属造・骨格材3mm超~4mm以下:30年
- 金属造・骨格材3mm以下:22年
ここは非常に重要です。
「木造は必ず鉄骨造より法定耐用年数が短い」というわけではありません。比較する鉄骨造の骨格材の肉厚によっては、金属造のほうが22年となり、木造の24年より短くなるケースもあります。
経営計画上の比較を行う場合は、「木造対鉄骨」という名称だけではなく、実際に計画している建物が税務上どの区分になるのかを税理士などの専門家へ確認しておくと安心です。
3-2 減価償却期間が短いことの意味
法定耐用年数が短い場合、同じ取得価額を前提に単純化して考えると、より短い期間で減価償却していくことになります。
そのため、一定の利益を継続して計上する企業では、減価償却費を比較的早い時期に計上できることが、税引後キャッシュフローを考えるうえでメリットになる可能性があります。
ただし、ここで注意したいのは、法定耐用年数が短いからといって、建築費そのものが戻ってくるわけではないという点です。
減価償却は、取得価額を費用化するタイミングに関係するものです。事業期間全体で見れば、単純に「耐用年数が短いほど税金が必ず少なくなる」とは言えません。
また、十分な利益が出ていない時期には、減価償却費を多く計上できることが直ちに大きな資金メリットにつながらない場合もあります。
3-3 設備は建物本体と別に考える
もう一つ見落としやすいのが、建物本体と設備の耐用年数が同じとは限らないことです。
国税庁の耐用年数表では、例えば一般的な電気設備は15年、給排水・衛生設備やガス設備は15年、冷暖房設備については内容によって13年または15年など、建物本体とは異なる区分が設定されています。
オフィスは電気、空調、給排水、通信など設備の割合が小さくありません。
そのため、自社オフィスの減価償却を試算するときには「建物総額÷24年」のような単純計算だけではなく、建物本体、建物附属設備、什器備品などを整理したうえで確認する必要があります。
税務処理は企業の状況や取得内容によって変わるため、具体的な償却方法や税額については、建築計画の段階から顧問税理士などへ相談することをおすすめします。
4. 木造オフィスは工期を短縮できるのか
自社オフィスでは、工事費だけでなく「いつから使えるか」も大きな経営判断になります。
現在の事務所の賃貸借契約、新社屋への引っ越し、人員採用、設備移転などを考えると、完成が数か月延びるだけでも事業へ影響することがあります。
4-1 一般流通材とプレカットを活用できるメリット
一般的な木造では、広く流通している規格材やプレカット加工を活用できるため、計画条件によっては部材調達から建方までを効率化しやすいという特徴があります。
鉄骨造では設計内容に合わせて鉄骨を製作し、工場加工、検査、現場搬入、建方という流れを取るため、鉄骨製作期間を工程へ組み込む必要があります。
一方、一般流通材をうまく使用できる木造では、この製作期間を抑えられる場合があります。匠の森でも、一般流通材やプレカット環境を活用することで、計画によって短工期につなげられる点を木造事務所のメリットとして紹介しています。
また、建物が比較的軽量で、基礎を合理化できる計画になれば、基礎工事を含めて工程上のメリットが出る可能性もあります。
4-2 木造だから必ず早いわけではない
ここでも「木造=短工期」と決めつけないことが大切です。
特殊な大断面材を使う場合や、大規模なトラスを製作する場合、特殊金物が必要な場合には、部材製作に時間がかかることがあります。
また、設計変更が多ければ構造に関係なく工期は延びます。
オフィスでは、着工後になってから「コンセントを増やしたい」「会議室へモニターを設置したい」「サーバー室へ追加空調が必要になった」といった変更が発生しがちです。
こうした変更を減らすには、設計段階で家具レイアウト、OA機器、電話、LAN、複合機、サーバー、電源容量まで整理しておくことが重要です。
4-3 開業日から逆算して工程を組む
新しいオフィスへの移転時期が決まっている場合は、「できるだけ早く建てる」という考え方ではなく、使用開始日から逆算して工程を組みます。
土地の測量、地盤調査、基本設計、実施設計、確認申請、見積もり、融資、着工、竣工検査、家具搬入、通信工事、引っ越しまで、一連のスケジュールとして考える必要があります。
福岡では梅雨や台風の時期をまたぐ工事もあるため、屋外工程については一定の天候リスクを見込んでおくことも大切です。
建物だけが完成しても、電話やネットワーク、家具が使えなければオフィスは開業できません。建築会社と早い段階から移転日を共有しておくと、工程調整がしやすくなります。
5. 維持管理まで含めて木造と鉄骨造を比較する
建築時の見積もりだけを比較すると、初期費用の安い構造を選びたくなります。
しかし、自社オフィスは10年、20年、場合によってはそれ以上使用する建物です。経営上は、完成時の価格だけではなく、その後にかかる費用まで考えておく必要があります。
5-1 法定耐用年数と建物寿命は別のもの
木造オフィスの法定耐用年数が24年だからといって、「24年経過したら建物が使えなくなる」という意味ではありません。
法定耐用年数は、税務上、減価償却を行う際の基準となる年数です。
実際の建物の状態は、構造設計、施工品質、雨漏り対策、外壁・屋根のメンテナンス、設備更新などによって大きく変わります。
鉄骨造についても同じで、法定耐用年数が長ければ何もしなくても長持ちするわけではありません。防水、外装、設備、鉄部など、それぞれ定期的な点検や修繕が必要です。
5-2 木造では雨仕舞いと防蟻対策が重要
木造オフィスを長く使用するうえでは、水分を構造体へ継続的に入れない設計と施工が特に重要です。
屋根、外壁、開口部、バルコニーなどの雨仕舞いに加え、地面に近い部分の納まり、防腐・防蟻処理、床下や壁内の湿気対策などを計画段階から考えます。
完成後も、屋根・外壁・シーリングなどを定期的に点検し、小さな不具合の段階で対応することが、結果的に大規模修繕を防ぐことにつながります。
福岡で木造オフィスを建築する場合も、「木造は何年持ちますか」と聞くだけではなく、どの部分を、何年程度の周期で点検・修繕する想定なのかまで確認しておくとよいでしょう。
5-3 将来の改修や用途変更まで考える
会社の組織は、建物より早く変化することがあります。
社員数が増えたり、部署が統合されたり、会議室を増やしたり、倉庫を執務室へ変更したりすることもあるでしょう。
そのため、自社オフィスでは、完成時の使いやすさだけではなく、将来的な変更のしやすさも重要です。
例えば、構造上動かせない壁と、将来撤去できる間仕切りを分けて設計しておく。空調や電気設備にも一定の余裕を持たせる。増築の可能性がある方向を事前に想定する。
こうした準備をしておくことで、事業の成長に合わせて建物を使い続けやすくなります。
6. 木造オフィスと鉄骨造はどちらを選ぶべきか
ここまで見てきたように、木造と鉄骨造にはそれぞれ特徴があります。
重要なのは「どちらが優れているか」ではなく、どちらが自社のオフィス計画に合っているかです。
6-1 木造オフィスが向いている会社
例えば、次のような計画では木造を比較対象に入れる価値があります。
- 1階建て・2階建てを中心にオフィスを計画している
- 極端に大きな無柱空間を必要としない
- 初期投資をできるだけ合理化したい
- 開業までの期間を短縮できる可能性を探りたい
- 木を生かした働きやすい空間をつくりたい
- 採用や企業イメージにもオフィスを活用したい
- 法定耐用年数を含めて投資回収計画を検討したい
特に、従来であれば鉄骨造を前提としていた中規模の事務所でも、間取りやスパンを整理することで木造化できる場合があります。
6-2 鉄骨造を優先して検討したいケース
反対に、大きな無柱空間が必要なオフィス、重量物や特殊設備を設置する建物、将来的に大幅なレイアウト変更が予想される建物などでは、鉄骨造が合理的になる可能性があります。
また、木造で計画するために特殊な構造材や複雑な耐火仕様が必要になり、コストメリットがほとんど出ないのであれば、無理に木造へこだわる必要はありません。
建築会社側が得意とする構造だけを提案するのではなく、建物の目的に合わせて判断することが大切です。
6-3 20年・30年先まで含めて比較する
経営者の方におすすめしたいのは、建築時の見積書だけではなく、長期的な資金計画として比較する方法です。
例えば、次の項目を並べて考えてみます。
- 土地取得費
- 建築費
- 設計・申請費
- 借入金額と返済期間
- 減価償却費
- 空調や照明などの運用コスト
- 外壁・屋根などの修繕費
- 設備更新費
- 将来の改修費
- 解体・建て替えまで見込んだ費用
仮に木造の初期費用が低くても、希望する外装や設備に大きな費用がかかれば差は縮まります。
逆に、本体だけでなく基礎や地盤改良まで合理化でき、事業開始も早められるのであれば、建築費の差以上に経営上のメリットが生まれる可能性があります。
7. 福岡でオフィス建築を進めるときの確認ポイント
福岡で自社オフィスの新築を具体的に進める場合は、建築会社へ「木造でいくらですか」と問い合わせる前に、いくつか整理しておくと計画が進みやすくなります。
7-1 最初に必要面積と働き方を整理する
まず確認したいのは社員数です。
現在の社員数だけではなく、5年後、10年後の採用計画も考えます。
さらに、固定席なのかフリーアドレスなのか、来客用会議室が何室必要なのか、休憩室や更衣室が必要なのか、倉庫や書庫をどの程度確保するのかを整理します。
営業車を多く保有する会社であれば、建物より駐車場の確保が敷地計画を左右することもあります。
土地を購入する前であれば、建物だけではなく必要な駐車台数まで含めて「この土地で事業が成立するか」を確認してから契約することが大切です。
7-2 構造を決める前に概算比較を行う
木造と鉄骨造で迷っている場合、できれば基本条件をそろえたうえで比較します。
床面積が違い、設備仕様も違う2つの見積書を比べても、構造による価格差は分かりません。
同じ必要面積、同程度の外装・内装・設備を前提にして、構造が変わることでどこに差が出るのかを整理します。
その際は、単に最終金額だけを見るのではなく、
- 構造工事
- 基礎工事
- 地盤改良
- 耐火・防火関連工事
- 設備工事
- 外構工事
- 設計・申請
といった項目ごとの差を見ると、木造化するメリットがどこにあるのか判断しやすくなります。
見積もりの結果、木造に大きなメリットがなければ、鉄骨造を選ぶという判断も当然あります。
7-3 建築・融資・税務を同じ事業計画で考える
自社オフィス建築は、建築会社だけで完結するプロジェクトではありません。
金融機関とは借入期間や返済条件を相談し、税理士とは減価償却や税務処理を確認します。必要であれば保険、補助制度、移転時期などについても並行して検討します。
建築会社から提示された工事費だけを見て決定し、後から資金計画をつくるのではなく、建築費・融資・返済・減価償却・事業収益を一つの計画として考えることが重要です。
また、見積書を確認するときは「含まれているもの」と同じくらい「含まれていないもの」を確認してください。
造成、地盤改良、上下水道引き込み、外構、空調、電気、家具などが別途になっていると、当初の想定より総事業費が増えることがあります。
設計初期の段階で予算上限を建築会社へ伝え、建物にかけられる金額と、設備・外構・諸費用に残しておく金額を分けておくと、予算超過を防ぎやすくなります。
8. まとめ
福岡で自社オフィスを建築する場合、木造は有力な選択肢の一つです。
建物の規模やプランが木造と合っていれば、構造体だけでなく基礎や地盤改良まで含めて建築費を抑えられる可能性があります。また、一般流通材やプレカットを活用できる計画では、部材調達や施工の効率化によって工期短縮につながることもあります。
税務面では、事務所用の木造建物の法定耐用年数は24年です。一方、金属造は骨格材の肉厚によって38年・30年・22年に分かれるため、「木造のほうが必ず短期間で減価償却できる」とは限りません。
さらに、法定耐用年数は建物の実際の寿命を示す数字ではありません。長く使えるオフィスにするには、構造にかかわらず、設計、施工、雨仕舞い、設備更新、定期点検などを適切に行うことが重要です。
木造と鉄骨造を比較するときは、坪単価だけを見るのではなく、次のような順番で考えると判断しやすくなります。
- 社員数と将来の事業計画を整理する
- 必要な床面積、駐車場、間取りを決める
- 木造と鉄骨造のどちらでも成立するか検討する
- 建物本体だけでなく基礎・設備・外構を含めて比較する
- 完成時期と事業開始時期を確認する
- 法定耐用年数と減価償却を税理士へ確認する
- 維持管理や将来の改修まで含めて最終判断する
自社オフィスは、単なる建築物ではなく、会社が長期間使用する事業資産です。
「一番安く建てられる構造」ではなく、「自社の事業計画に対して最も費用対効果の高い構造は何か」という視点で検討することが、失敗を避けるポイントです。
匠建設株式会社は福岡県久留米市を拠点とし、大規模木造建築ブランド「匠の森」として、オフィス・事務所・店舗をはじめ、介護福祉施設や賃貸住宅など、さまざまな用途の木造建築に取り組んでいます。
「鉄骨造で考えているが木造でも建てられるのか確認したい」「木造にすると、どこまで建築費を抑えられるのか知りたい」「土地は決まっているが、どの程度のオフィスが建てられるのか相談したい」といった段階でも構いません。
構造を決める前の段階から、敷地条件、必要面積、予算、工期などを整理して比較することで、自社に合ったオフィス計画が見えやすくなります。







