みなさんこんにちは。福岡県にある大規模木造建築専門店の匠の森です。
「EC事業の拡大に伴い、新たな物流倉庫の建設を考えているが、費用がどのくらいかかるのか知りたい」「物流倉庫の建設費用を少しでも抑える方法はないだろうか」といった、物流倉庫の建設費用に関するお悩みをお持ちではないでしょうか。
物流倉庫の建設は、土地の取得から設計、建築、設備の導入まで、多額の費用が必要となる一大プロジェクトです。特に近年は建築資材の高騰もあり、いかにコストを管理し、費用を抑えるかが事業成功の鍵を握ります。
この記事では、物流倉庫の建設にかかる費用の内訳や坪単価の相場、そして私たち匠の森が得意とする「木造建築」がいかにコスト削減に貢献できるかまで、専門家の視点から徹底的に解説します。
この記事を最後までお読みいただくことで、物流倉庫の建設費用の全体像が掴め、予算内で最大限のパフォーマンスを発揮する倉庫を建てるための具体的な知識が身につきます。物流拠点の新設や増築を検討されている経営者、ご担当者様は、ぜひ最後まで読んでみてください!
Contents
物流倉庫の建設費用の内訳と坪単価の相場
物流倉庫の建設費用は、大きく分けて「本体工事費」「別途工事費」「諸経費」の3つで構成されます。これらの総額が、物流倉庫の建設に必要なトータル費用となります。
物流倉庫の建設費用の3つの内訳
- 本体工事費(総費用の70~80%) 建物そのものを建てるための費用です。基礎工事、鉄骨や木材の構造躯体工事、屋根や外壁、内装の仕上げ工事などが含まれます。一般的に「坪単価」として提示されるのは、この本体工事費を指す場合がほとんどです。
- 別途工事費(総費用の15~20%) 建物以外の付帯的な工事にかかる費用です。既存建物の解体工事、地盤改良工事、駐車場や敷地内の通路を作る外構工事、電気・水道・ガスを敷地に引き込むインフラ工事などが該当します。この費用は土地の状況によって大きく変動するため、注意が必要です。
- 諸経費(総費用の5~10%) 設計料や建築確認申請の費用、不動産取得税や固定資産税などの税金、火災保険料、ローン手数料などが含まれます。見落としがちな費用ですが、総額では大きな金額になるため、あらかじめ資金計画に組み込んでおくことが重要です。
構造別に見る物流倉庫の坪単価の相場
物流倉庫の建設費用、特に本体工事費を大きく左右するのが「構造」です。以下に、構造別の坪単価の目安を示します。
このように、木造は他の構造に比べて坪単価を安く抑えられる大きなメリットがあります。次の章では、なぜ木造が物流倉庫の建設費用を抑える上で有効な選択肢となるのかを詳しく解説します。
物流倉庫の建設費用を抑えるなら「木造」が最適な理由
これまで物流倉庫といえば鉄骨造が主流でしたが、近年、その常識は変わりつつあります。私たち匠の森が専門とする「木造」での大規模物流倉庫の建築は、コスト削減と高い機能性を両立する、非常に合理的な選択肢として注目されています。
理由1:材料費と基礎工事費を大幅に削減できる
木造の物流倉庫が持つ最大のメリットは、建設費用の安さです。その理由は、第一に「材料費」にあります。鉄骨の価格は世界情勢の影響を受けやすく、高騰する傾向にありますが、木材は比較的価格が安定しており、特に国産材を活用することでコストを管理しやすくなります。
第二に「建物の軽さ」が挙げられます。木材は鉄骨に比べて軽量なため、建物全体の重量を大幅に軽減できます。建物が軽いと、それを支える基礎も小規模で済むため、コンクリートや鉄筋の使用量を減らし、基礎工事の費用を大幅に削減できるのです。これは、地盤が弱い土地での建設において、特に大きなコストメリットとなります。
理由2:優れた断熱性で、保管環境とランニングコストを改善する
物流倉庫の建設費用だけでなく、完成後の運営費用、特に光熱費は長期的に事業の収益性を左右します。木材は、鉄やコンクリートと比較して熱伝導率が非常に低く、天然の断熱材ともいえる素材です。
木造の物流倉庫は、外気の影響を受けにくく、夏は涼しく冬は暖かいという安定した内部環境を保ちやすくなります。これにより、保管する製品の品質維持に貢献するだけでなく、空調設備の稼働を抑え、電気代などのランニングコストを大幅に削減することが可能です。実際に、鉄骨造から木造の物流倉庫に移転したお客様から、「夏場の倉庫内の温度が以前より5℃以上も低く、作業環境が劇的に改善した」というお声をいただいたこともあります。
理由3:減価償却が早く、高い節税効果が期待できる
企業の財務戦略においても、木造倉庫はメリットをもたらします。税法上、建物の価値は年々減少するものとして扱われ、その減少分を「減価償却費」として経費計上できます。この減価償却の期間を定めた「法定耐用年数」は、建物の構造によって異なり、短いほど一年あたりの経費計上額が大きくなり、節税効果が高まります。
物流倉庫の場合、鉄骨造の法定耐用年数が31年(骨格材の厚さによる)であるのに対し、木造は22年と短く設定されています。この差により、木造倉庫は投資の早期回収が可能となり、企業のキャッシュフロー改善に大きく貢献するのです。
物流倉庫の建設費用をさらに抑える具体的なポイント
木造を選択することに加えて、いくつかのポイントを意識することで、物流倉庫の建設費用をさらに抑えることが可能です。
ポイント1:シンプルな形状で無駄をなくす
建物の形状は、建築費用に大きく影響します。凹凸の多い複雑なデザインは、材料に無駄が出やすく、施工の手間も増えるためコストアップの要因となります。物流倉庫の建設費用を安く抑えるには、できるだけ正方形や長方形のシンプルな箱型の形状にすることが基本です。シンプルな形状は、保管効率や作業動線の面でも有利に働きます。
ポイント2:屋根の形状を工夫する
屋根の形状もコストに影響を与える要素です。最もコストを抑えられるのは、シンプルな「片流れ屋根」や「切妻屋根(きりづまやね)」です。一方で、特殊な形状や多くの天窓(トップライト)を設置すると、その分費用は高くなります。ただし、天窓を適切に設けることで、日中の照明にかかる電気代を削減できるというメリットもあるため、初期費用とランニングコストのバランスを考慮して検討することが重要です。
ポイント3:内装・外装や設備のグレードを最適化する
倉庫の内装や外壁、そして導入する設備も、グレードによって価格が大きく異なります。例えば、外壁材には様々な種類がありますが、デザイン性よりも耐久性やコストパフォーマンスを重視して選ぶことで費用を削減できます。内装に関しても、保管する物品に影響のない範囲で、最低限の仕上げに留めるという選択も有効です。照明や空調、搬送設備なども、必要なスペックを見極め、過剰な投資を避けることがコスト管理の鍵となります。
まとめ
物流倉庫の建設費用は、坪単価だけでなく、「本体工事費」「別途工事費」「諸経費」を含めた総額で考える必要があります。特に、近年の建築費高騰を受け、いかにコストを抑えつつ、事業に必要な機能性と品質を確保するかがプロジェクト成功の鍵となります。
その解決策として、木造での物流倉庫建築は非常に有効な選択肢です。鉄骨造に比べて初期の建設費用を安く抑えられるだけでなく、優れた断熱性によるランニングコストの削減、さらには減価償却の早さによる節税効果まで、事業運営に多くのメリットをもたらします。
私たち匠の森は、福岡県を拠点に、大規模木造建築の豊富な実績とノウハウを活かして、お客様一社一社のニーズに合わせた最適な物流倉庫の建築をご提案します。コストを抑えながらも、高品質で使いやすく、長期的に事業の成長を支える物流倉庫を建てたいとお考えでしたら、ぜひ一度、私たちにご相談ください。概算の見積もりやプランニングは無料で承っております。