みなさんこんにちは。福岡県久留米市にある大規模木造建築専門の匠の森です。
「クリニックを開業したいけど、建築費用がどれくらいかかるか不安…」 「坪単価の相場や内訳はどうなっているの?」 「少しでも建築費用を抑える方法があれば知りたい!」
クリニックの開業を考え始めた際、多くの方が建築費用に関する疑問や不安を抱えるのではないでしょうか。特に初めての開業となると、何から手をつければ良いのか、どれくらいの予算を見込んでおけば良いのか、見当もつかないかもしれません。
この記事では、クリニックの建築費用の相場やその内訳、さらに建築費用を賢く抑えるための具体的なコツについて、詳しく解説していきます。
この記事を読むことで、クリニック建築費用の全体像を掴み、予算計画や業者選びに役立つ知識を得ることができます。
クリニックの建築費用について具体的な情報を知りたい方、開業に向けて費用面での不安を解消したい方はぜひ最後まで読んでみてください!
クリニック建築費用の基礎知識
クリニックの建築費用について考える前に、まずは基本的な知識を押さえておきましょう。建築費用は様々な要素で構成されており、その内訳を理解することが重要です。
クリニック建築費用の内訳とは?
クリニックの建築費用は、大きく分けて以下の項目で構成されます。
- 土地取得費用: 土地を新たに購入する場合にかかる費用です。地域や立地条件によって大きく変動します。
- 設計費用: クリニックの設計図を作成するための費用です。建築士や設計事務所に支払います。
- 建設(施工)費用: 建物を実際に建てるための費用です。これには、基礎工事、構造躯体工事、外装工事などが含まれます。
- 内装工事費用: 壁紙、床材、照明、建具など、クリニック内部の仕上げにかかる費用です。診療科目やデザインによって費用が変わります。
- 設備費用: 空調設備、給排水設備、電気設備、医療ガス設備など、クリニックに必要な設備を導入するための費用です。
- 諸経費: 上記以外にかかる費用で、確認申請手数料、登記費用、保険料などが含まれます。
これらの内訳を理解することで、どこにどれくらいの費用がかかるのか把握しやすくなり、予算計画を立てる上で役立ちます。特に、皮膚科や整形外科など、特定の診療科目では特殊な設備が必要になる場合があり、その分の費用も考慮に入れる必要があります。
クリニック建築にかかる主な費用項目
クリニック建築の初期投資として特に大きな割合を占めるのが、「建設(施工)費用」と「内装工事費用」、「医療機器購入費用」です。
建設費用は、建物の構造(木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造など)や規模、デザインによって大きく変動します。例えば、鉄筋コンクリート造は耐久性や遮音性に優れていますが、木造や鉄骨造に比べて坪単価が高くなる傾向があります。
内装工事費用も、使用する素材のグレードやデザイン、導入する設備によって変わってきます。特に、レントゲン室などの特殊な部屋が必要な場合は、遮蔽工事などで追加費用が発生します。
医療機器購入費用も診療科目によって大きく異なります。CTやMRIといった高額な医療機器を導入する場合は、数千万円単位の費用が必要になることもあります。
クリニック建築費用の相場
では、実際にクリニックの建築にはどれくらいの費用がかかるのでしょうか。相場について見ていきましょう。
地域別の建築費用の違い
クリニックの建築費用は、地域によって坪単価が異なります。一般的に、都市部は土地代や人件費が高いため、地方に比べて建築費用が高くなる傾向があります。
建築を計画している地域の最新の坪単価相場を調査することが、正確な予算を立てる上で重要になります。
診療科目別の建築費用の傾向
診療科目によっても建築費用は変わってきます。これは、科目ごとに必要な部屋の種類、広さ、導入する医療機器や設備が異なるためです。
- 内科・小児科など: 比較的シンプルな設備で済むことが多く、坪単価は抑えやすい傾向にあります。ただし、待合室の広さやキッズスペースの設置など、患者層に合わせた配慮が必要です。
- 整形外科・リハビリテーション科: レントゲン室やリハビリテーションスペースが必要となるため、内装工事費や設備費用がかさみ、坪単価は高くなる傾向があります。広いスペースが必要になることも多いです。
- 眼科・耳鼻咽喉科: 専門的な検査機器や処置室が必要ですが、比較的小規模なスペースでも開業可能な場合があります。
- 精神科・心療内科: プライバシーに配慮した個室や、落ち着いた雰囲気の内装が求められるため、設計や内装に費用がかかることがあります。
- 歯科: 診療ユニットやレントゲン設備、技工室など、専門的な設備が多く必要となるため、坪単価は比較的高くなる傾向があります。
上記はあくまで一般的な傾向であり、クリニックのコンセプトや導入する機器によって費用は大きく変動します。
建築費用の坪単価の目安
クリニック建築の坪単価は、様々な要因で変動しますが、一般的な目安としては以下のような数字が挙げられます。
- 木造: 40万円~100万円/坪
- 鉄骨造(S造): 100万円~220万円/坪
- 鉄筋コンクリート造(RC造): 130万円~220万円/坪
ただし、これはあくまで建物の構造部分の費用目安であり、これに内装工事費や設備費が加算されます。内装工事費の坪単価目安は、診療科目にもよりますが、おおよそ20万円~60万円/坪程度です。
例えば、60坪のクリニックを鉄骨造で建築する場合、
- 建築費(坪100万円と仮定):60坪 × 100万円 = 6,000万円
- 内装工事費(坪40万円と仮定):60坪 × 40万円 = 2,400万円
となり、建物と内装だけで8,400万円程度かかる計算になります。これに土地代や医療機器費用、諸経費が加わります。
匠の森では2×4(ツーバイフォー)工法を採用しており、上記の坪単価より費用を抑えることができます。
⇩匠の森の坪単価はこちら⇩(※あくまで参考費用になります。地域、敷地条件、詳細の仕様等により内容が異なります。)
ある内科クリニックの建築を担当した際、先生のご希望で自然光がたくさん入る明るい待合室と、最新の検査機器を導入したいというご要望がありました。土地は比較的安価な郊外でしたが、窓を大きく取った設計と最新機器の導入で、坪単価は相場よりやや高めになりました。しかし、完成後は患者さんから「明るくて気持ちが良い」と好評で、先生も「初期投資はかかったけれど、満足のいくクリニックができた」と喜んでおられました。このように、どこにこだわるかで費用は大きく変わってきます。
クリニック建築費用を抑えるためのポイント
高額になりがちなクリニックの建築費用ですが、工夫次第で賢く抑えることが可能です。ここでは、具体的な節約ポイントをご紹介します。
相見積もりの重要性
建築業者を選ぶ際には、必ず複数の業者から見積もり(相見積もり)を取りましょう。同じ条件で見積もりを依頼することで、各社の費用や提案内容を比較検討できます。
相見積もりを取るメリットは以下の通りです。
- 適正価格の把握: 各社の見積もりを比較することで、その工事内容に対する適正な価格帯を知ることができます。
- 価格競争による値引き: 業者間で競争意識が働き、より有利な条件を引き出せる可能性があります。
- 提案内容の比較: 各社の提案内容を比較し、デザインや工法、使用する材料など、自分の希望に最も合った業者を選ぶことができます。
- 信頼できる業者の見極め: 見積もりの内容や対応の丁寧さなどから、信頼できる業者かどうかを判断する材料になります。
最低でも3社程度から相見積もりを取ることをお勧めします。
設計と施工を同一業者に依頼するメリット
設計事務所に設計を依頼し、その後、施工業者を選定するという方法もありますが、設計と施工を一貫して同じ業者に依頼する「設計施工一貫方式」には、コスト面や効率面でメリットがあります。
- コスト削減: 設計段階から施工を見据えたコスト管理が可能となり、無駄な費用が発生しにくくなります。また、設計料と施工管理費が一体化されることで、別々に依頼するよりも割安になる場合があります。
- 工期の短縮: 設計と施工の連携がスムーズに進むため、打ち合わせや調整にかかる時間が短縮され、工期全体の短縮につながることがあります。
- 責任の所在が明確: 設計と施工の責任者が同一であるため、万が一問題が発生した場合でも、責任の所在が明確で対応がスムーズです。
ただし、設計の自由度がやや制限されたり、第三者によるチェック機能が働きにくいといった側面もあるため、業者の実績や提案内容をよく吟味することが重要です。
内装材の選定と工夫
内装材はクリニックの雰囲気や機能性を左右する重要な要素ですが、選び方次第でコストを抑えることが可能です。
- コストパフォーマンスの良い素材を選ぶ: 全ての素材を最高級グレードにする必要はありません。壁紙や床材など、面積の大きい部分にはコストパフォーマンスの良い素材を選び、待合室のアクセントウォールや受付カウンターなど、目立つ部分にデザイン性の高い素材を使うなど、メリハリをつけるのがポイントです。
- シンプルなデザインにする: 過度に複雑なデザインや装飾は、材料費だけでなく施工費も高くなります。シンプルで機能的なデザインを基本とし、色使いや照明などで個性を出す工夫をしましょう。
- 耐久性を考慮する: 初期費用が安くても、すぐに傷んだり汚れたりする素材では、メンテナンスや張り替えで結局コストがかかってしまいます。特に床材や水回りの素材は、耐久性や清掃のしやすさを考慮して選びましょう。
私が担当したある小児科クリニックでは、待合室の床材に、ややコストは高くても傷がつきにくく、抗菌・抗ウイルス機能のある床材を選定しました。初期費用はかかりましたが、結果的に清掃の手間が省け、長期的に見てメンテナンスコストの削減につながったと先生から感謝されました。
自分で手配できるものは自分で手配する
建築工事に含まれる設備や備品の中には、施主(クリニック側)が自分で手配(施主支給)することでコストを抑えられるものがあります。
例えば、照明器具、カーテン、家具、一部の医療機器などが考えられます。インターネット通販や専門業者から直接購入することで、建築業者のマージンがかからず、費用を節約できる場合があります。
ただし、以下の点に注意が必要です。
- 製品の選定と発注の手間: 自分で製品を選び、発注、納品管理を行う必要があります。
- 保証の問題: 施主支給品の場合、取り付け後の不具合に対する保証が建築業者の保証対象外となる場合があります。
- 工事との連携: 納品時期や取り付け方法について、建築業者と事前にしっかり打ち合わせる必要があります。
メリット・デメリットを理解した上で、施主支給を検討しましょう。
クリニック建築における注意点
費用を抑えることは重要ですが、コスト削減ばかりを意識すると、後々問題が発生する可能性もあります。クリニック建築を進める上で注意すべき点を押さえておきましょう。
コスト削減と品質のバランス
建築費用を抑えたいという気持ちは当然ですが、安さだけを追求するあまり、品質を犠牲にしてはいけません。特に、建物の構造や断熱性能、防水性能など、後から修正が難しい部分は、初期投資を惜しまず、しっかりとした品質を確保することが重要です。
また、医療施設としての機能性や安全性に関わる部分(バリアフリー設計、感染対策、医療機器の設置スペースなど)も妥協してはいけません。
目先のコスト削減にとらわれず、長期的な視点で品質とのバランスを考えることが、患者さんやスタッフにとって快適で安全なクリニックを作る上で不可欠です。
法規制や基準の確認
クリニック建築には、建築基準法だけでなく、医療法に基づく構造設備基準やバリアフリー法、消防法など、様々な法規制が関わってきます。これらの基準を満たしていないと、そもそもクリニックとして開設許可が下りません。
特に、用途地域によってはクリニックの建築が制限される場合もあります。土地選びの段階から、その土地でクリニック建築が可能かどうか、法規制についてしっかり確認することが重要です。
設計事務所や建築業者はこれらの法規に精通していますが、施主自身もある程度の知識を持っておくと、打ち合わせなどをスムーズに進めることができます。
信頼できるパートナー選びの重要性
クリニック建築は大きなプロジェクトであり、成功のためには信頼できるパートナー(設計事務所、建築業者、コンサルタントなど)を選ぶことが非常に重要です。
費用だけで業者を選ぶのではなく、以下の点も考慮して慎重に選びましょう。
- クリニック建築の実績: 医療施設特有のノウハウを持っているか。
- 提案力: こちらの要望を的確に理解し、専門的な視点から最適な提案をしてくれるか。
- コミュニケーション: 担当者との相性や、報告・連絡・相談がスムーズに行えるか。
- アフターフォロー: 完成後のメンテナンスや不具合対応など、長期的なサポート体制があるか。
過去の施工事例を見せてもらったり、実際にその業者で建てたクリニックの先生の話を聞いたりするのも参考になります。
まとめ
クリニックの建築費用は、立地、規模、構造、診療科目、導入する設備など、多くの要因によって変動します。一般的な相場としては数千万円から1億円以上かかることも珍しくありません。
建築費用を抑えるためには、
- 相見積もりを取る
- 設計施工一貫方式を検討する
- 内装材や仕様を工夫する
- 施主支給を活用する
といった方法がありますが、コスト削減と品質のバランス、法規制の遵守、信頼できるパートナー選びが重要です。
クリニック建築は、開業後の経営を左右する大きな投資です。この記事でご紹介した情報を参考に、しっかりと計画を立て、満足のいくクリニック建築を実現してください。
福岡県久留米市に拠点を置く私たち匠の森は、大規模木造建築を得意としており、クリニック建築の実績もございます。建築費用に関するご相談はもちろん、設計から施工まで、お客様のご要望に合わせた最適なプランをご提案いたします。クリニック建築をご検討中の方は、ぜひお気軽にご相談ください。(担当:吉岡 TEL:0942-65-5173)
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